koho-anan_2011.10 page 15/32
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概要:
今回の舞台は私にとって、とても大切な思い出となりました。実際に震災を受けた人たちと一緒に舞台をするというのは、思っていた以上に考えることが多く、自分の考えの甘さにうんざりしたり、悩んだりもしました。....
今回の舞台は私にとって、とても大切な思い出となりました。実際に震災を受けた人たちと一緒に舞台をするというのは、思っていた以上に考えることが多く、自分の考えの甘さにうんざりしたり、悩んだりもしました。しかし、先生が持ってきてくれた資料を読んだり、インターネットで調べたり、舞台をする理由を考えたり、できる限りのことはしました。 今までも舞台を通して学んだことはたくさんありましたが、特に今回学んだことは、相手を思いやるということです。相手の気持ちをわかるのは難しいけれど、わかろうと努力したり、考えてみたり、興味を持ったりすることが「本当の思いやり」だと思いました。そして、これからも宮城と徳島は遠く離れた場所だけれども、同じ舞台に立った者同士、協力していき、自分の「夢」に向かって、進んでいきたいと思います。 日本が、夢にあふれた、希望に満ちた国になるように、今できることをしていきたいです。僕を変えてくれた人たちへ「ありがとう」 僕は、今回初めての舞台に立ちました。入団間もないころは、みんなの輪の中に入れず、辞めたいとか練習に行きたくないとかいろいろ悩みました。でも、日が経つにつれみんなとも話をするようになり、早くみんなに会いたいと思うようになりました。台本が渡され、自分の役(友和)が性格とは正反対の、とても明るくみんなを笑わせるような役とわかり、正直嫌でした。でも、重要な役をもらったのでがんばろうと決意しました。練習では、毎日怒られてばかり。ずっと自分から逃げ続けていました。そんな時、東京から指導に駆けつけてくれた役者の方にいろんなことを教わりました。おかげで、「うを座」のみんなと一緒に練習をするなかで、東日本大震災でつらかったことや傷ついたことを聞いてあげることができました。 本番では、練習してきたすべてを出し切りました。こんなに熱中し、本気で取り組んだのは初めての経験でした。今回の舞台を通して、自分自身が大きく変わることができました。最後に、先生やみんなに「ありがとう」を言いたいです。那賀川中学校2年三村拓海さん城東高校2年片山怜菜さん『本当の思いやり』15 広報平成23年(2011年)10月1日〔第639号〕